雑記帳

2021年2月24日

 ずいぶん長い間、STAXという会社のイヤースピーカー(ヘッドホン)を使い続けています。最初聴いたときの印象は、確かにきれいだけれども低音が控えめで、なんだか痩せたような音だなというものでした。でも中音から高音へかけての透き通った音色に魅力を感じて、低音に不満を感じつつも使い続けていました。
 ある日、以前使っていたヘッドホンを久しぶりに使ってみたところ、故障したのかと思うほどなんだか曇ったような音で、豊かに感じていた低音もボワボワに聞こえました。住めば都と言いますけれども、慣れればどんな環境(機器)でもよく感じられて愛着を持つものかもしれません。
 第一印象が大事と言われますが、長く接していくうちにその良さが分かるものも多いです。ハイドンのオラトリオ《天地創造》を最初聴いたときは、退屈な曲だな、買って失敗したかなとさえ思いました。でも今では、無人島に持って行くならこのCDと思えるほど大好きな曲です。オーディオで言うエージングも、機器の慣らし運転の他に、良さを理解するために必要な時間という意味もあるのかなと思います。