言葉を聞く・読むのがしんどく感じることがあります。そんな時は、音楽が大きな助けになってくれます。以前いろいろ悩み事が重なって、心身ともに疲弊しきっていた時期がありました。本を読むのさえ苦痛に感じるほど、悶々(もんもん)とした日々を過ごしていた時に何気なく手にしたのが、ベートーヴェンの交響曲第5番『運命』(フルトヴェングラー指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団)でした。
それまではベートーヴェンはあまり聴いてこなかったのですが、その演奏は毎日のように聞いては慰められていました。音楽の持つ力、偉大さをはじめて知った曲であり演奏でした。音楽の感情に及ぼす力は、時に言葉以上のものがあると感じます。▲