健康、お金、人間関係に関することが、多くの人に共通する悩みというのを聞いたことがあります。病気である人、お金のない人、人間関係に問題を起こせば悩みを持つのはもちろんです。(いまは)健康である人、お金に余裕のある人、人間関係に恵まれている人でも、いつかは失われるのではないかという悩みに苛(さいな)まれるのも、不思議ではないですよね。
ペット(最近ではコンパニオンアニマルと言うそうですが)と一緒に過ごしていると、多くの喜びが与えられます。そうした幸福な時間の中にも、ふとすると、いつかやってくる別れの時が思われ、暗く悲しい顔になっていることがあります。すぐに愛らしい顔を見て笑顔に戻るのですが、でもその感情そのものが消えることはありません。
常に変化し続ける世界の出来事に捉えられていれば、心も落ち着きを失います。幸福とされる出来事も、永遠に続くわけではないのですから、信じるに値する出来事とも思えません。この先に待っているのは厭世(えんせい)主義の世界ですよね。実際、この厭世観にとらわれた時期がありました(いまも抜けきったとは言えませんが)。▲