長年慣れ親しんだフォームを変えるというのは、言うは易しですけれども結構大変なものです。その部分だけ変えればいいというのならまだしも、バランスが崩れたりリズムが狂ったりなど、どうしても他の部分にも影響が出てきます。そういう意味ですと、フォームの改善というのは、局所的なように見えても全体的な変化を促すものでありますし、たとえ小さな変化のように思えても、足し算というよりもかけ算のような変化を生じるものであると言えるかもしれません。
もう一つ心理的な抵抗もあります。どこかプライドのようなものがあるんでしょうね。さらにネットや本で仕入れた知識が邪魔をするというのもあります。最初は抵抗を感じながらも教えられたとおりに練習を続け、その泳ぎ方に慣れてくると、以前よりも気持ちよく泳げることに気がつきます。
指導の経験が豊富で、もっと広い世界のことを知っている指導者に比べたら、自分は井の中の蛙といったところかもしれません。もちろん自分で調べて考えるということも大切だと思いますけども、人から学ぶときはいったん自分の考えを横に置いて、虚心に学ぶ姿勢、素直さも大事だなと思います。▲